「自分の資金でトレーダーチームを作りたい」
「プロップファームってどうやって設立するの?」
「設立に必要な資金や法的な手続きは?」
プロップファーム(プロプライエタリトレーディングファーム)とは、自己資金(会社の資金)を使って株式、FX、仮想通貨などの金融市場で積極的に取引を行い、利益を追求する専門企業のことです。優秀なトレーダーにとっては、大きな資金を動かし、損失リスクを会社に負担してもらいながら利益の大部分(多くの場合80%以上!)を得られる魅力的な環境でもあります。
この記事では、「プロップファームを設立したい」と考えている方に向けて、その具体的な設立手順、必要な要件(資金、法的、人材、技術)、設立のメリット・デメリット、そして設立が難しい場合の代替案まで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたは…
- プロップファーム設立の具体的なステップを理解できます。
- 設立に必要な資金、法的要件、人材、技術インフラについて学べます。
- プロップファーム設立のメリットと、見落としがちなデメリットを把握できます。
- 設立の難易度を理解し、代替案(既存ファームへの参加)も検討できるようになります。
- FintokeiやFTMOなど、注目のプロップファーム情報も得られます。
プロップファーム設立は大きな挑戦ですが、この記事がその第一歩を踏み出すための確かなガイドとなるでしょう。
そもそもプロップファーム(プロップハウス)とは?

プロップファーム(Proprietary Trading Firm / プロップハウスとも呼ばれる)は、顧客の資金を預かって運用するヘッジファンドとは異なり、純粋に自社の資本を使ってトレーディングを行う企業です。
- 収益源: 自己資金によるトレーディング利益が主な収益源です。
- トレーダー: 雇用した(または契約した)プロップトレーダーが、会社の資金を使って取引を行います。
- リスク負担: 取引における損失は、基本的に会社が負担します。
- 利益分配: トレーダーは、自身が生み出した利益に対して、契約に基づいた高い割合(例: 80%~90%)の報酬を受け取ります。
近年、オンラインでトレーダーを選抜・育成し、リモートで取引させる形態のプロップファーム(オンラインプロップファーム)が増加しており、個人トレーダーが挑戦しやすくなっています。
プロップファーム設立のメリット・デメリット
自らプロップファームを立ち上げることには、大きな可能性がありますが、相応の課題も伴います。
メリット
- ✅ 成功すれば大きな収益を得られる可能性がある。
- ✅ 独自の取引戦略や企業文化を追求できる。
- ✅ 優秀なトレーダーを発掘・育成できる。
- ✅ 最新のトレーディング技術やインフラを構築・活用できる。
- ✅ 金融市場における専門企業としての地位を確立できる。
デメリット
- ❌ 莫大な初期費用と運営コストが必要。(インフラ、人件費、ライセンス維持費など)
- ❌ 法的・規制上のハードルが高い。(特に日本国内での設立)
- ❌ 優秀なトレーダーや技術者の確保・維持が難しい。
- ❌ 高度なリスク管理体制の構築と維持が不可欠。
- ❌ 市場変動による大きな損失リスクを会社として負う必要がある。
- ❌ 設立・運営には高度な金融知識と経営ノウハウが求められる。
設立を検討する際は、これらのメリット・デメリットを十分に比較検討する必要があります。
【完全ガイド】プロップファーム設立の6ステップ
プロップファーム設立に向けた具体的な手順を解説します。
Step 1: 詳細なビジネスプランの作成
成功の礎となる、実現可能で具体的なビジネスプランが不可欠です。
- 市場分析: どの市場(株式、FX、先物、仮想通貨など)で、どのような金融商品を対象とするか。競合分析も含む。
- 取引戦略: コアとなる取引戦略(スキャルピング、デイトレ、スイング、アルゴリズム取引など)の概要、エッジ(優位性)の根拠。
- リスク管理方針: 許容損失額、ポジションサイズ制限、緊急時対応策など、厳格なリスク管理ルールを策定。
- 収益モデル: トレーダーへの利益分配率、会社の収益目標、コスト構造。
- 運営計画: 組織体制(役員、トレーダー、IT、リスク管理、法務・コンプライアンス)、人員計画、オフィス(物理的または仮想的)。
- 技術計画: 必要なトレーディングプラットフォーム、データフィード、サーバー、ネットワーク、セキュリティ対策。
- 資金計画: 必要な設立資金、運営資金の見積もり、資金調達計画。
Step 2: 法的要件の確認と法人設立
最も複雑で重要なステップの一つです。専門家(弁護士、行政書士など)への相談が不可欠です。
- 設立場所の選定: 日本国内か、海外(例: 税制優遇のある国、規制が緩やかな国)か。それぞれ法規制、税制、コストが大きく異なります。
- 法人形態: 日本であれば株式会社や合同会社が一般的。海外であればその国の法人形態を選択。
- 金融ライセンス・登録:
- 日本国内: 自己資金のみの運用でも、業として行う場合は金融商品取引法に基づく登録(例: 投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業など、事業内容による)が必要になる可能性が高いです。金融庁への確認と専門家への相談が必須です。ハードルは非常に高いと言えます。
- 海外: 設立する国や地域の金融規制当局への登録やライセンス取得が必要な場合があります。比較的規制が緩やかな国もありますが、国際的な信頼性や銀行口座開設の難易度なども考慮する必要があります。
- コンプライアンス体制: マネーロンダリング対策(AML)、顧客確認(KYC、トレーダーに対して)、インサイダー取引規制など、国内外の関連法規を遵守する体制の構築。
特に日本国内で金融商品取引業の登録を得てプロップファームを設立するのは、資本金要件、人的要件、内部管理体制など、非常に厳しい要件があり、極めて難易度が高いです。
Step 3: 設立・運営資金の調達
ビジネスプランに基づき、必要な資金を確保します。
- 自己資金: 創業者やパートナーからの出資。
- 外部投資家: エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル(VC)、富裕層個人など。事業計画の魅力と信頼性が問われます。
- 銀行融資: 事業計画や担保によっては可能性がありますが、新規事業、特にトレーディング事業への融資はハードルが高い場合があります。
- 必要資金額の目安: 法人設立費用、ライセンス取得・維持費用、オフィス費用(必要な場合)、技術インフラ構築・維持費用、データフィード費用、人件費、そして最も重要なトレーディング用自己資本。規模や戦略によりますが、数千万円~数億円単位の資金が必要になることも珍しくありません。
Step 4: 高度な技術インフラの構築
高速かつ安定した取引環境はプロップファームの生命線です。
- トレーディングプラットフォーム: 既製のプラットフォーム(例: MetaTrader, TradingView連携など)を利用するか、独自のシステムを開発するか。低遅延実行、複数市場へのアクセス、リスク管理機能などが求められます。
- 市場データフィード: 信頼性が高く、低遅延なリアルタイムデータ(およびヒストリカルデータ)の確保。有料のプロ向けフィードが必要になることが多いです。
- サーバー・ネットワーク: 高性能なサーバー、低遅延ネットワーク回線、コロケーション(取引所の近くにサーバーを設置)の検討。
- リスク管理システム: ポジション、エクスポージャー、損失などをリアルタイムで監視・制御するシステム。
- バックオフィスシステム: 取引記録、損益計算、レポート作成、コンプライアンスチェックなどを管理するシステム。
- セキュリティ: サイバー攻撃対策、データ保護、アクセス管理など、堅牢なセキュリティ体制。
Step 5: 優秀な人材の確保と育成
企業の成功は人材にかかっています。
- トレーダー:
- 経験豊富なプロトレーダーの採用(スカウト、紹介など)。
- ポテンシャルのある未経験者を採用し、独自の育成プログラムで育てる(オンラインプロップファームのモデル)。
- 明確な評価基準と、成果に応じたインセンティブ(利益分配)制度の設計が重要。
- 技術者 (IT): システム開発、運用、保守を担当するエンジニア。金融システムの経験があれば尚可。
- リスク管理者: 市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスクなどを監視・管理する専門家。
- 法務・コンプライアンス担当: 関連法規の遵守を徹底する専門家。
- 経営・管理部門: 経理、人事、総務など。
Step 6: 取引戦略の厳格なテストと検証
実際の資金を投入する前に、取引戦略の有効性とリスクを徹底的に検証します。
- バックテスト: 過去のデータを用いて戦略のパフォーマンスを検証。
- フォワードテスト(デモ取引): リアルタイムの市場データを使って、仮想資金で戦略をテスト。
- ストレステスト: 市場の異常事態(〇〇ショックなど)を想定し、戦略がどの程度の損失に耐えられるかを検証。
- 継続的な改善: 市場環境の変化に合わせて、戦略を常に見直し、改善していくプロセスが必要です。
プロップファーム設立の現実的な難易度
ここまで見てきたように、プロップファームの設立は、特に日本国内においては、
- 高額な資金調達
- 複雑で厳しい法的要件(特に金融庁登録)
- 高度な技術インフラの構築・維持
- 優秀な専門人材の確保
- 継続的なリスク管理と戦略開発
といった多くの高いハードルが存在します。
個人や小規模なチームがゼロから立ち上げるのは、非常に困難な挑戦であると言わざるを得ません。
【代替案】設立が無理なら挑戦!既存プロップファームのトレーダーになる道
「プロップファームを設立するのは難しそうだけど、大きな資金で取引してみたい!」
「自己資金リスクを抑えてトレーダーとして成長したい!」
そんな方には、自分で設立する代わりに、既存のプロップファームが提供するトレーダー選考プログラムに挑戦するという道が現実的でおすすめです。
既存プロップファームに参加するメリット
- ✅ 低リスク・低コストで始められる: 設立に必要な莫大な費用は不要。プログラム参加費(数万円程度から)のみで挑戦可能。
- ✅ 大きな取引資金を利用できる: 試験に合格すれば、数十万円~数億円規模の会社の資金を使って取引できる。
- ✅ 損失は会社負担: 取引で損失が出ても、自己資金を失うリスクがない(プログラム参加費は除く)。
- ✅ 高い利益分配: 達成した利益の80%~90%といった高い報酬を得られる。
- ✅ 教育プログラムやコミュニティ: トレーダー育成のための教材や、他のトレーダーとの交流の場が提供される場合がある。
- ✅ インフラ利用: 高度な取引プラットフォームやツールを利用できる。
注目のオンラインプロップファーム例
近年、オンラインでトレーダーを募集・選考するプロップファームが増えています。ここでは代表的な2社を紹介します。
1. Fintokei (フィントケイ)
Fintokei(フィントケイ)は、日本人トレーダー向けに特化したサービス展開で急速に人気を集めているオンラインプロップファームです。
- 特徴:
- 完全日本語対応: ウェブサイト、サポート、教材などが日本語に対応しており、日本人にとって利用しやすい。
- 無料トレード大会: 定期的に無料のトレード大会が開催され、入賞すると賞金や有料プランへの挑戦権が得られる。リスクゼロで実力を試せるチャンス。
- 最大5億円の運用資金: スケーリングプランにより、実績に応じて最大5億円までの資金提供を受けられる可能性がある。
- 待望のJPYスケーリング導入: 日本円建てでの資金増額が可能に。
- 多様なプラン: 目標利益率や許容損失率が異なる複数のプランから、自分に合ったものを選べる。
- 【期間限定】初心者向け「入門プラン」: 通常1万円のサービスを3,000円で試せる初心者向けプラン(2025年1月27日~2月28日)。100万円のデモ口座、最大100%報酬のチャンスあり。コード:
STARTTRADER3000
- 最新クーポン: 期間限定でプラン料金が10%OFFになるクーポンコード「FINTO10KEI」が提供されている場合があります。(※最新情報は公式サイトでご確認ください)
2. FTMO
FTMOは、業界最大手の一つとして世界的に有名なチェコ発のプロップファームです。
- 特徴:
- 業界での高い評判と実績: 長年の運営実績があり、多くのトレーダーから信頼されています。
- 最大90%の利益分配: スケーリングプラン達成後は利益の90%を受け取ることが可能。
- 厳格な評価プロセス: トレーダー選抜のチャレンジは比較的厳しいとされますが、クリアすれば実力の証明になります。
- 多様な取引プラットフォーム: MT4, MT5, cTraderなどに対応。
- ※英語メイン: ウェブサイトやサポートは基本的に英語です。日本語対応は限定的。
これらの他にも様々なプロップファームが存在します。各社のルール、評価基準、手数料、サポート体制などを比較検討し、自分に合ったファームを選ぶことが重要です。
プロップファーム設立・運営に関するFAQ
- Q1: プロップファーム設立に必要な最低資金額の目安は?
- A1: 法人設立、ライセンス、インフラ、人件費、トレーディング資本などを考慮すると、最低でも数千万円単位、規模によっては数億円以上が必要になる可能性があります。一概には言えませんが、個人レベルでの設立は非常にハードルが高いです。
- Q2: 日本国内での設立は現実的ですか?海外との違いは?
- A2: 日本国内での設立は、金融商品取引法の登録要件が非常に厳しく、現実的には極めて困難です。そのため、多くのプロップファームは海外(規制が比較的緩やかな国やタックスヘイブンなど)に拠点を置いています。海外設立の場合、その国の法規制に従うことになりますが、日本の投資家へのサービス提供には日本の法律も関連してくる可能性があります。
- Q3: プロップファームの税金はどうなりますか?
- A3: 法人として設立した場合、その法人が得た利益に対して法人税が課税されます(設立した国の税法による)。トレーダー個人が得る利益分配(報酬)については、その個人の所得として所得税(日本では事業所得や雑所得など)の対象となり、確定申告が必要です。税務については、必ず税理士などの専門家に相談してください。
- Q4: プロップファームではどのような取引手法が使われていますか?
- A4: ファームの方針やトレーダーの得意分野によりますが、短期的な価格変動を捉えるスキャルピングやデイトレード、統計的な優位性を利用したアービトラージ、コンピュータによるアルゴリズム取引(HFT含む)など、多岐にわたります。ファンダメンタルズに基づく長期投資を行うファームは少ない傾向にあります。
- Q5: プロップトレーダーになるにはどうすればいいですか?
- A5: 経験者であれば直接採用に応募する方法もありますが、近年はFintokeiやFTMOのようなオンラインプロップファームの選考プログラム(チャレンジ)に合格するのが一般的です。チャレンジでは、デモ口座で一定期間内に目標利益を達成し、かつ損失ルールを守るなどの条件をクリアする必要があります。
まとめ:プロップファーム設立は大きな挑戦、代替案も視野に
プロップファームの設立は、成功すれば大きなリターンをもたらす可能性がある一方で、莫大な資金、複雑な法的要件、高度な技術と人材が必要となる、非常に難易度の高い事業です。
設立を目指す場合は、綿密な事業計画とリスク管理、そして専門家のサポートが不可欠となります。
しかし、「設立」にこだわらず、「プロップトレーダーとして活躍する」という視点で見れば、FintokeiやFTMOのような既存のオンラインプロップファームへの参加は、はるかに現実的で低リスクな選択肢となります。自己資金リスクを抑えながら大きな資金を運用し、高い利益分配を得るチャンスがあります。
まずは、Fintokeiの無料トレード大会に参加したり、各社のチャレンジ内容を詳しく調べたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
>>Fintokeiで無料大会に参加・詳細を見る >>FTMOのチャレンジ内容を確認する (英語)
この記事が、プロップファーム設立やプロップトレーダーへの道を目指すあなたの助けとなれば幸いです。