テクニカル分析の基礎をマスター:レベル11~20完全ガイド
FXトレーディングにおいて、価格の動きを読み解くテクニカル分析は不可欠なスキルです。過去の価格チャートや取引量、さまざまな指標を駆使して未来の値動きを予測するこの手法は、多くのトレーダーにとって戦略の根幹となります。
このページでは、テクニカル分析の世界への扉を開くための基本的な知識と手法を、10のレベルに分けて解説します。各レベルで紹介するツールや概念を理解し、実践に繋げることで、あなたのトレード精度は格段に向上するはずです。
レベル11: テクニカル分析とは? – 概要と基本的なアプローチ
テクニカル分析は、過去の市場データ(主に価格と出来高)を分析することで、将来の価格動向を予測しようとするアプローチです。「歴史は繰り返す」という考えに基づき、チャート上に現れるパターンやトレンドから、市場参加者の心理や需給バランスを読み解きます。
基本的なアプローチ:
- トレンドの識別: 価格が上昇、下降、横ばいのいずれの方向に向かっているかを見極めます。
- サポートとレジスタンスの特定: 価格が反発しやすい、または抑えられやすい重要な価格水準を見つけます。(レベル13参照)
- チャートパターンの認識: 特定の価格形状から、トレンドの継続や転換の可能性を探ります。(レベル20参照)
- テクニカル指標の活用: 移動平均線、MACD、RSIなどの数学的計算に基づいたツールを使い、トレンドの強弱や売買タイミングを探ります。
より深く知るには:
- 基礎分析情報まとめ
- レベル61〜80: 高度なテクニカル分析 (さらに進んだ内容)
レベル12: 移動平均線の使い方 – SMAとEMAの違いと活用法
移動平均線 (Moving Average) は、一定期間の価格の平均値を線で結んだ、最も基本的で広く使われるテクニカル指標の一つです。トレンドの方向性や転換点を示唆します。
主な種類と違い:
- SMA (単純移動平均線): 設定した期間の終値を単純に平均したもの。滑らかな線を描きます。
- EMA (指数平滑移動平均線): 直近の価格に比重を置いて計算されるため、SMAよりも価格変動への反応が早いのが特徴です。
活用法:
- トレンドの方向: 線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンド。
- サポート/レジスタンス: 価格が移動平均線に近づくと反発したり、抑えられたりする目安になります。
- ゴールデンクロス/デッドクロス: 短期線が長期線を下から上に抜ける(ゴールデンクロス:買いシグナル)/上から下に抜ける(デッドクロス:売りシグナル)。
実践的な設定例:
レベル13: サポートとレジスタンス – トレンドラインの引き方と見極め方
サポートライン(支持線)とレジスタンスライン(抵抗線)は、テクニカル分析の基礎となる重要な概念です。これらのラインを意識することで、エントリーや利益確定、損切りの目安をつけることができます。
- サポートライン: 価格が下落してきた際に、買い支えが入りやすく反発が期待される価格水準。過去の安値などを結んで引きます。
- レジスタンスライン: 価格が上昇してきた際に、売り圧力が強まり上昇が抑えられやすい価格水準。過去の高値などを結んで引きます。
- トレンドライン: 上昇トレンドでは安値を結んだ線(サポートライン)、下降トレンドでは高値を結んだ線(レジスタンスライン)として機能します。
引き方のポイント:
- 最低でも2つの重要な安値(上昇トレンド)または高値(下降トレンド)を結びます。
- より多くの点で反発・抵抗されているラインほど信頼性が高いと考えられます。
関連知識:
レベル14: ボリンジャーバンド – ボラティリティを利用したトレード手法
ボリンジャーバンドは、統計学の標準偏差を利用して価格の変動範囲(ボラティリティ)を視覚的に示した指標です。
構成要素:
- ミドルバンド: 通常20期間の単純移動平均線(SMA)。
- アッパーバンド: ミドルバンド + 2標準偏差。
- ロワーバンド: ミドルバンド – 2標準偏差。
活用法:
- バンドの幅: 幅が広がっている(エクスパンション)時はボラティリティが高く、狭まっている(スクイーズ)時はボラティリティが低い状態を示します。
- バンドウォーク: 価格がアッパーバンドまたはロワーバンドに沿って動く現象。強いトレンドを示唆します。
- 逆張り: 価格が±2σのバンドにタッチした際に、買われすぎ・売られすぎと判断して逆方向へのエントリーを検討します。(レンジ相場向き)
- 順張り: スクイーズからエクスパンションし、価格がバンドをブレイクした方向にエントリーを検討します。(トレンド発生の初動狙い)
レベル15: MACD – トレンドフォロー型のインジケーター
MACD(マックディー、移動平均収束拡散手法)は、短期と長期の2本の指数平滑移動平均線(EMA)の差(MACDライン)と、そのMACDラインの移動平均線(シグナル線)を用いて、トレンドの方向性や転換点、売買タイミングを探る指標です。
活用法:
- ゴールデンクロス/デッドクロス: MACDラインがシグナル線を下から上に抜けたら買いサイン、上から下に抜けたら売りサイン。
- ゼロラインとのクロス: MACDラインがゼロラインを上抜けたら上昇トレンド、下抜けたら下降トレンドが強いと判断。
- ダイバージェンス: 価格が高値を更新しているのにMACDのピークが切り下がっている(弱気ダイバージェンス)、価格が安値を更新しているのにMACDの谷が切り上がっている(強気ダイバージェンス)場合、トレンド転換の可能性を示唆します。
実践例:
レベル16: RSI – オシレーター系のインジケーターとその使い方
RSI(相対力指数)は、「買われすぎ」「売られすぎ」といった相場の過熱感を示すオシレーター系指標の代表格です。0から100の間で推移します。
活用法:
- 買われすぎ/売られすぎ: 一般的に、RSIが70%(または80%)以上で買われすぎ、30%(または20%)以下で売られすぎと判断され、逆張りの目安となります。
- ダイバージェンス: MACDと同様に、価格の動きとRSIの動きの逆行現象(ダイバージェンス)は、トレンド転換のサインとして注目されます。
- センターライン(50%): RSIが50%ラインを上回っている間は上昇基調、下回っている間は下降基調が強いと見ることもできます。
応用例:
- ザオプション(theoption)【RSIインジ】を解説 (BO向けだが基本は同じ)
レベル17: フィボナッチリトレースメント – 価格の反転ポイントの見極め
フィボナッチリトレースメントは、イタリアの数学者フィボナッチが発見したとされるフィボナッチ数列に基づいた比率(特に23.6%, 38.2%, 50%, 61.8%など)を使って、トレンド発生後の一時的な押し目(下落)や戻り(上昇)がどの程度の水準まで進むかを予測するツールです。
使い方:
- 明確な上昇トレンドまたは下降トレンドの高値と安値を見つけます。
- 上昇トレンドなら安値から高値へ、下降トレンドなら高値から安値へフィボナッチツールを引きます。
- 表示されたフィボナッチ比率のライン(特に38.2%, 50%, 61.8%)が、押し目買いや戻り売りのエントリーポイント、あるいはサポート/レジスタンスとして機能する可能性があります。
フィボナッチ関連の詳細記事:
- 【FX】フィボナッチE/R【リトレースメント・エクスパンション】の使い方
- FXフィボナッチリトレースメントの引き方・使える数値「中・上級編」
- 【MT4で表示させる】フィボナッチインジケーター(無料)「使い方・考え方」
- 【調査】フィボナッチ自動表示『iFibonacci』の使い方【インジケーター】
レベル18: ピボットポイント – 短期トレードにおける支持・抵抗ライン
ピボットポイントは、前日の価格(高値、安値、終値)を基に計算され、当日の重要なサポートラインとレジスタンスラインを予測するテクニカル指標です。特にデイトレーダーによく利用されます。
主なライン:
- PP (ピボットポイント): 当日の中心となる価格。
- S1, S2, S3: サポートライン(支持線)。
- R1, R2, R3: レジスタンスライン(抵抗線)。
活用法:
- これらのラインを日中の売買ターゲットや反転ポイントの目安とします。
- 価格がR1を上抜けたら次の目標はR2、S1を下抜けたらS2、といった見方ができます。
- ブレイクアウト戦略やレンジ戦略と組み合わせて使われます。
関連ツール:
レベル19: トレンドラインとチャネル – トレンドの継続と転換のサイン
レベル13で触れたトレンドラインを発展させ、平行なラインを引くことでチャネルを形成できます。チャネルは、トレンドの範囲(値幅)を示し、取引戦略に役立ちます。
- 上昇チャネル: 上昇トレンドライン(サポート)と、それに平行に高値を結んだ線(レジスタンス)。価格はこの範囲内で上昇していく傾向があります。
- 下降チャネル: 下降トレンドライン(レジスタンス)と、それに平行に安値を結んだ線(サポート)。価格はこの範囲内で下降していく傾向があります。
活用法:
- チャネルの下限ライン付近での買い、上限ライン付近での売り(レンジ戦略的な発想)。
- チャネルラインを明確にブレイクした場合、トレンドの加速や転換の可能性があります。
- チャネルラインは利益確定や損切りの目安としても利用できます。
チャネルライン関連:
- 【最新手法】チャネルラインメイン【センターライン軸描写】9割がライン引き手法
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レベル20: チャートパターン – ヘッドアンドショルダー、ダブルトップ/ボトム、トライアングルなど
チャートパターンは、過去の価格データが形成する特定の形状であり、将来の値動きを予測するための強力なツールとなり得ます。大きく分けて「反転パターン」と「継続パターン」があります。
主な反転パターン(トレンド転換を示唆):
- ヘッドアンドショルダー(三尊天井): 上昇トレンドの終焉を示す代表的なパターン。
- 逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊底): 下降トレンドの終焉を示す。
- ダブルトップ/ダブルボトム: 2つのほぼ同じ高さの山/谷を形成し、トレンド転換を示唆。
- トリプルトップ/トリプルボトム: 3つの山/谷を形成する、より強力な転換サイン。
主な継続パターン(現在のトレンドが続くことを示唆):
- 三角保ち合い(トライアングル): 上昇、下降、対称の3種類があり、エネルギーを溜めた後のブレイクアウトが期待される。
- フラッグ(旗型)/ペナント: 急な値動きの後に現れる短期間のもみ合い。トレンド再開の可能性が高い。
チャートパターン関連:
- レベル21〜30: ファンダメンタルズ分析の基本を学び、経済指標などが市場に与える影響を理解しましょう。
- レベル31〜40: リスク管理と資金管理を習得し、大切な資金を守る方法を学びましょう。
- これらのテクニカル指標をデモ口座で実際に使い、練習を重ねましょう。
テクニカル分析の基礎を習得!次のステップへ
レベル11から20まで、テクニカル分析の基本的なツールと考え方を学びました。これらの知識は、チャートからより多くの情報を読み取り、トレード判断の精度を高めるための土台となります。
しかし、テクニカル分析は万能ではありません。市場には常に不確実性が伴います。
次のステップ:
- レベル21〜30: ファンダメンタルズ分析の基本を学び、経済指標などが市場に与える影響を理解しましょう。
- レベル31〜40: リスク管理と資金管理を習得し、大切な資金を守る方法を学びましょう。
- これらのテクニカル指標をデモ口座で実際に使い、練習を重ねましょう。
テクニカル分析は奥が深い世界です。継続的な学習と実践を通じて、自分に合った分析手法を見つけていきましょう。